ふくしまのデイサービス株式会社彩葉

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大井千加子の部屋

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2019.01.06

認知症の義父と長男の嫁日記 その2 

義父は社会性に優れているので、お初に施設利用にも適応できる。

若い時から出稼ぎで都会へ行き、土木業に就いていたため、人当たりもよく、

冗談で皆を笑わせようとしてくれる。

だから、ほとんどの方とコミュニケーションがとれる。

この度も、隣県の施設でショートステイを経験し、3泊4日を過ごしてきました。

特に、問題もなく、過ごせた様子です。

 

しかし、

自宅に戻ってからが大変でした。

施設と自宅の区別がつかず、職員と家族の区別もつかず、生活のリズムも狂っていて、家中のウロウロを繰り返す。

ショートから戻ると多少なりともありましたが、今回のショートは、義父の中で、外部には出さない不安があったように感じました。

何よりも変化が大きかったのは、車への執着心でした。

隣県の施設まで、高速を使い、片道約1時間半の道のり。

義父の若い頃に培った車や重機の運転の記憶が甦ったのです。

 

久しぶりのデイサービスからの送りで、自宅に着くと、夫のワゴン車の運転席へ乗り込み、エンジンを掛けようよしたのです。

幸い鍵は車内の無く、エンジン始動することはなかったのですが、デイの職員の言葉を聞き入れようとせず、運転席から降りる様子がないのです。

スマホのボイス機能でその状況を聞きながら私も自宅へ急ぎました。

私が着いた時、運転席の義父は、車内の灰皿から見つけた、火の点いていない煙草をくわえて、ハンドルを握っていました。

自信満々のにこやかな表情で・・・・

私は「息子の車を勝手に使ったら怒られるよ!」と一喝し、降りて頂きました。

 

運転免許を返納して久しい義父。

今のようなスイッチひとつで動く車のエンジンを掛けられなくなり、運転免許返納の頃には混乱が続いていた義父。

実は、運転には自信があり、家族を乗せてり、地域のゲートボール仲間を他県まで乗せて大会へと出掛けていた義父。

 

ちょっとだけ見せた自信満々の笑顔は、

建設現場で活躍していた、あの頃の義父だったのだろう、と思えた瞬間でした。

義父、いい表情でした。